労働安全衛生法が改正されました!【豊田中央社労士FP事務所通信/第2号】
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■ 豊田中央社労士FP事務所通信/第2号 ■ 2014.7.1
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いつもお世話になっております
豊田中央社労士FP事務所の加藤です。
いよいよアツい夏がやってまいりました!
社長をはじめ従業員の皆様にはくれぐれも健康管理に配慮して頂き
熱中症には十分注意して、夏を乗り切ってください。
ちなみに熱中症には牛乳などの乳製品の摂取が有効だそうです!
朝礼時間などを活用して、社員のみなさんへの健康指導も定期的に行ってください。
さて今月もいくつかお伝えしたいトピックスを用意しましたので、
興味のある内容についてはどんどんご質問・ご相談をお待ちしております。
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目次
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【トピックス】
1.労働安全衛生法が改正されました。
2.「改正パートタイム労働法」省令や指針に注意!
3.効果的な社内研修」を実施できていますか?
4.改めて確認しておきたい「クレーム対応」の基本
5.人手不足産業でも採用できた事業所とできなかった事業所の違い
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【トピックス1】労働安全衛生法が改正されました。
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今回の労働安全衛生法改正のポイントは以下になります。
1.化学物質管理のあり方の見直し
2.ストレスチェック制度の創設
3.受動喫煙防止対策の推進
4.重大な労働災害を繰り返す企業への対応
5.外国に立地する検査機関などへの対応
6.規制・届出の見直しなど
詳細はこちらからどうぞ
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000049191.html
労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)の概要
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11301000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Keikakuka/0000049181.pdf
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【トピックス2】「改正パートタイム労働法」省令や指針に注意!
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◆改正パートタイム労働法の概要
4月23日に公布された改正パートタイム労働法(以下、「改正法」)では、賃金の
決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他待遇の面で正社員との差別的取扱
いが禁止されるパート労働者の範囲の拡大、また、待遇の決定についてパート労働者
の納得性を高めるために行う雇入れ時の説明義務等が規定されましたが、これらの具
体的な取扱いは省令や指針に規定されます。
◆「一律○円」による通勤手当の支給は要注意?
改正法10条1項は、正社員との均衡確保の努力義務の対象となる賃金について「通勤
手当、退職手当その他の厚生労働省令で定めるものを除く」と規定していますが、
「職務に密接に関連して支払われるもの」については均衡確保の努力義務の対象とな
るよう、省令が見直される予定です。
雇用均等分科会の資料では、「距離や実際かかっている経費とは関係なく一律の額
で通勤手当として支払っているような場合については、職務関連として整理されるの
ではないか」とされています。
一律通勤費を設定している会社様は一度ご相談ください!
◆苦情等相談窓口の設置および周知について
改正法では、上記の通り、雇入れ時の事業主による説明義務が規定されるととも
に、16条で、パート労働者からの相談に応じるための体制の整備を義務付けていま
す。
これにより設置される相談窓口が、改正省令では雇入れ時に文書交付等により明示
すべき事項に追加される見通しですので、体制の整備だけでなくその周知も行わなけ
ればならないこととなります。
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【トピックス3】「効果的な社内研修」を実施できていますか?
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◆なかなか効果が出ない現実…
従業員の能力アップや成長を図るために、社内研修を行う企業は多くあります。し
かし、その効果が上がっているかと問われると、疑問符がつくケースも多いところで
す。
「何から手をつけたらよいのかわからない」、「研修にかけられる予算はあまりな
い」、「社内に研修を行うことができる人材がいない」、「時間をかけた割には成果
が現れない」など、悩むことも少なくありません。
◆研修の成果を上げる取組み
しかし、ちょっとした工夫で、効果的な社内研修を行うことは十分可能です。
例えば、公益財団法人日本生産性本部では、研修の成果を上げている会社のポイン
トとして、次の5点を挙げており、非常に参考になります。
(1)目的やゴールを明確にしてプログラム化する
(2)研修テーマを絞り参加者にも事前に周知する
(3)研修のステータスを上げる(研修を日常業務に優先する重要なものと位置付け
る)
(4)研修と実務の結び付きを強める
(5)階層間をつなげた教育研修を行う
意識・意欲を高めるために受講者に参加費を自己負担させたり、より現実の必要性
に即した研修とするために一般社員に研修を企画させたりするといった取組みを行っ
ている企業もあるようです。
◆継続した取組みが肝要
なかなか効果が出ないと研修にかける意欲も失われがちですが、企業の成長には従
業員の能力アップや成長が不可欠であることは間違いありません。
長期的な視点で、継続して取り組み続けることが大切です。
まずは上記に挙げた5点ができているか、社内研修のやり方を見直してみるところ
から始めてみてはいかがでしょうか。
※社内研修は助成金の対象になる可能性も十分ありますので、
研修をお考えの会社様は一度ご相談ください!
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【トピックス4】改めて確認しておきたい「クレーム対応」の基本
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◆増えているクレーム
クレームに関しては、「顧客が苦情を企業に伝えるのは26件中1件」という測定結
果(1984年)が有名で、この数字がいわばクレーム対応を行う上での常識ともなって
います。
しかし、現在、クレームの発生率は確実に上昇しており、あるリサーチによると、
「4.63回に1回」(2012年)という結果も出ています。クレーム発生率が跳ね上がっ
ている昨今、無用のトラブルを防ぐためには、今一度クレーム対応のやり方について
見直しておく必要があります。
こうした状況を反映してか、クレーム対応をテーマとしたセミナー等も増えてお
り、また、会社顧問として外部の実力のある苦情処理専門家を置く企業も急増してい
ます。
◆「当たり前のことを当たり前にやる」ことが大切
クレーム対応では、初期対応が最も大切です。そこで、「当たり前のことを当たり
前にできる」体制づくりが一番効果的なクレーム対応策となります。
例えば、次のこと等を社員の間で徹底しておきましょう。
・後回しは確実にクレームを悪化させるため、クレーム対応は最優先で行う
・応対する者により返答が異ならないようにクレーム対応方法の標準化(一元化)を
行う
・引継ぎの際に確実な情報連携を行い、何度も同じことを聞かずに済むようにする
・クレームの原因究明を行うことができる場を設ける
また、受けたクレームを記録に残し、情報を共有できるようにすることも効果的で
す。
このような体制を確立するためには、電話応対など、研修で教育することが必要と
なることもあります。
◆状況に応じた対応を
もちろん、中にはいわゆる「モンスター・クレーマー」のような、対応に苦慮する
クレームもあります。社内で対応が困難なハードクレームについては、弁護士や警察
に解決を任せる必要があるものもあります。
適宜、状況に応じた対応ができるようになれば、クレーム対応は万全と言えるでし
ょう。
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【トピックス5】人手不足産業でも採用できた事業所とできなかった事業所の違い
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◆医療・福祉、建設業における人手不足が深刻
厚生労働省が発表した「人手不足産業における高卒求人の充足状況」によると、平
成25年度の高卒者向け求人は、製造業、医療・福祉、建設業、卸売・小売業などで多
かったですが、これらの産業の充足率をみると、医療・福祉で31.3%、建設業で34.2
%と低く、人手不足の深刻化による充足率の向上が課題となっています。
◆採用できた事業所・できなかった事業所の差は?
充足率が低かった医療・福祉と建設業において、高卒求人票を用いて採用できた事
業所とできなかった事業所の違いをみると、医療・福祉では、早期(平成25年7月末
まで)に求人を出した事業所の割合が、採用できた事業所で77.2%、採用できなかっ
た事業所で 58.7%となり、差が見られました。
また、求人票に「採用・離職状況」の記載があった事業所の割合は、採用できた事
業所で73.6%、採用できなかった事業所で60.4%となっています。
建設業でも、早期に求人を提出した事業所の割合については、採用できた事業所
(69.2%)が採用できなかった事業所(45.1%)を大きく上回りました。
これらのことから、「早期の求人提出」、「求人票における積極的な情報提供」が
充足に大きな影響を与えている要因と考えられます。
◆なぜ人が集まらないのか?
高校の進路指導担当教諭に対して、充足率の向上が課題となっている3産業(建設
業、医療・福祉、宿泊業・飲食サービス業)に生徒が応募しない理由を聞いたとこ
ろ、宿泊業・飲食サービス業では、「休日が少ない・労働時間が長い・勤務時間が不
規則等、労働時間の問題」、建設業と医療・福祉では、「仕事がきつそう・面白くな
さそう等、仕事内容(職種)の問題」という回答割合が高かったようです。
◆充足率向上のために必要な改善点
必要な改善点について、高校の進路指導担当教諭からの意見をまとめると、「医
療・福祉」では、給与・休日・労働時間等労働条件を改善し、社会的評価・イメージ
を向上させる取組み、日勤・夜勤といった就業規則が不規則でも生活のリズムが崩れ
ない配慮、OJTの充実と資格取得までの制度や支援の充実などが挙げられました。
「建設業」では、将来性やスキルアップのビジョンを示すことや、3Kのイメージを
払拭する取組み、労働条件の改善、「宿泊業・飲食サービス業」では、長時間拘束さ
れる労働条件改善のための交代制シフトの導入や正社員としての仕事内容とキャリア
アップの将来像を示すことなどが挙げられました。
医療・福祉、建設業における会社様におかれましては、今一度採用全体の見直しの機会
を設けられることをオススメします!